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システム思考はその名の通り、生物圏、政府、気候、企業、生態系、農地など様々な要素が複雑に絡み合ったシステムを扱うためのものです。システムのすべてのコンポーネントを視野に入れ、システム全体として、それらがどのように相互作用し、それらの因果関係をみることが重要です。そう聞くと、気が遠くなるような作業だと思うのではないでしょうか。しかし、複雑な問題を解決するには、システム思考で考えないと、細部に入り込んで路頭に迷ってしまう可能性があります。専門領域の個々の分野は、概して、非常に複雑であり、多くの時間と労力を必要とするものです。細部に陥りながらも解決していこうとすると、別の問題を引き起こしてしまいます。それを繰り返すうちに、混乱と行き詰まりに至り、頓挫してしまうのです。
ナチュラル・ステップでは、よく“樹”の比喩を利用します。“幹と枝”は、中核である原則(4つの持続可能性の原則)を表し、“葉”は、個別の問題や専門領域の特定分野といった細部を表します。私たち人間が直面している課題、すなわち、持続可能な社会を作ることは、あまりに壮大で複雑を極めるため、誰一人として答えを持ち得ません。だからこそ、科学者、経済学者、政策立案者、研究者、教師、ビジネスリーダーといったあらゆる人たちが、ともに取り組まなければならないのです。それでは、このような様々な人たちが集まると、一体どのような考えや意見、関心事が飛び出すでしょうか?イメージしてみてください。いとも簡単に、口論がはじまり、混乱を招き、意見の相違に陥ってしまうでしょう。これは、“葉”にあたる細部を議論してしまうからです。これでは、イライラさせてしまうだけで、持続可能性への話へ進むのは、随分と先のこととなってしまいます。
“紙か?プラスチックか?-紙は森林破壊につながる。プラスチックは生分解しない。”
“太陽光か?風力か?石油か?-太陽光は効率が悪い上に異様なメタルを使っている。風力は鳥を巻き込む恐れがあり、騒音も引き起こす。オイルは地球温暖化の原因となる。ましてや、温暖化は起こってさえいないのではないか?”… …
これらの議論は、もちろん重大なトピックですが、いずれも細部にまつわる話です。誰もが合意できる基本的な事実と共通の枠組みがないと、このように複雑かつ政治的議論に陥ってしまいます。
だからこそ、 “幹と木”からはじめる共通のフレームワークが必要なのです。そうすれば、同じスタート地点に立って、ゲームのルールを理解し、“枝”を更に進み、“葉”について共通のメンタルモデルで考えることができるのです。こうすることで、混乱を招かず、本当の対話がはじまります。そうした上で、共通のゴールに向けて、細部について包括的かつ段階的に対処していくことが求められます。
4つの原則は、チェスやサッカーといったゲームのルールと考えてください。全員がそのルールを理解していないと、成功するのは困難です。持続可能性へ到達する戦略を作りはじめるとき、ルールを共有するステップを飛ばしてしまうことがよく見受けられます。
