ストーリー
シンプルなアイデアが、大きな機会へと発展
1980年後半、スウェーデンの癌専門医であるカール・ヘンリク=ロベール博士は小児癌治療に携わっていました。ロベール博士は、癌にかかった子どもの家族・ケアプロバイダー・自治体が、一丸となり、限りない思いやりの心をもって、子どもの癌治療に取り組んでいる様子を見て、その頃浮き上がってきていた地球環境問題の解決に関する社会の議論とまったくもって対照的であることに驚きました。
そんな中、顕微鏡でがん患者の細胞を研究している時に、非常にシンプルですが、強力なアイデアがロベール博士の頭に浮かびました。もし、私達が細胞に関して基本的なことを理解し合えたらどうなるだろうか? これが生命の維持に関わる基本的な理解だったら一体どうなるのか? もし、基本的な理解がなされれば、政府、企業、環境保護の専門家が、地球が置かれている状況についてコンセンサスを形成することができるのではないか。
ロベール博士は、生命について欠かせないと思われる条件をまとめたフレームワークを作り始めました。そしてその草案を、世界中の50人以上の環境保護活動家や化学者、物理・自然科学、医師などの分野を越える広範な科学者達へ送り、意見を求めました。 ドラフトを21回書き直し、地球で持続可能な生活を送るために必要なことについて、ようやく最終的なコンセンサスを得るに至りました。そして、スウェーデン国王カール16世グスタフ国王の後援の下、カセットテープ付きの「コンセンサスドキュメント」 をスウェーデンの全家庭と学校に送ったのです。
ナチュラル・ステップの誕生
数年後の1990年代の初め、熱力学の法則と自然の循環に基づく持続可能性の原則を定義するため、ロベール博士は著名な物理学者John Holmberg博士と共に研究に取り組みました。この時に研究の基盤となった科学が、ナチュラル・ステップのフレームワークの土台となっています。
長年にわたってロベール博士は、企業内で財務的リスクを削減したり、デザインやイノベーションの支援をする仕事をする一方で、様々な組織の国際的な科学者や専門家と共同研究を続け、持続可能性の明確な定義を行って戦略的な意思決定のためのナチュラル・ステップのフレームワークを開発しました。
ナチュラル・ステップは、何が可能で何が不可能かいった議論を引き起こすのではなく、何が私達の生活を可能にしているのか、どのように生物圏が機能するか、どのようにすれば私達が地球のエコシステムと調和した生活ができるのかについて人々が基礎的に理解できることを目標としています。抽象的な定義や原因にとらわれるのではなく、基礎科学の基盤に基づいています。つまり、もしあなたが“成功”を成し遂げたいのであれば、初めに、本当のところそれが何を意味するかを考えなければ戦略的なステップを踏むこともできません。
ナチュラル・ステップは、現在、世界11か国にオフィスがあり、それらの国々で、企業や自治体、教育機関、政府が持続可能性への青写真を描くための支援をしています。
