バックキャスティング
バックキャステイングの考え方は、持続可能な発展に向けての戦略的なアプローチの中核に位置づけられます。バックキャステイングでは、はじめに将来成功した姿を描き、次に「その成功した姿に到達するために、今日何をする必要があるのか?」と考えて将来のプランを立てます。この方法は、今日を出発点にするフォーキャステイングの方法よりも効果的です。フォーキャステイングは、選択肢も、創造性にも限りがあります。それ以上に問題となるのは、今日の問題を将来にひきずっていくリスクがあるためです。
持続可能な社会をイメージしたシナリオは無数にあります。「シナリオからバックキャステイング」をすることは、持続可能な社会のシナリオの絵を共有して、一枚一枚パズルを埋めていくようなものです。しかし、数多くの人がありたい将来のシナリオについて意見が一致するということは不可能に近いことです。その上、シナリオが詳細に特定されていると、持続可能な発展に必須とされる創造的な解決策を立てようとする意思を阻害してしまうリスクがあります。
「持続可能性の原則からのバックキャステイング」は、持続可能な発展の戦略的なツールです。「科学が基盤になっている持続可能性の原則に反すると、グローバルな社会は持続不可能になる」そのことについて、誰もの意見が一致しています。それゆえ、持続可能な社会を達成するために、それらの条件に背かないようにしなければなりません。私たちは、社会の細部にわたって、どのような社会なのかを知ることはできません。しかし、原則のレベルで成功した姿の定義はできます。原則からバックキャステイングをすることは、チエスのゲームをするようなものです。勝つための原則は分かっていますが、勝った時の状況は毎回異なるため、どのような状況で勝つか分かりません。将来の成功のビジョンを目標にして、戦略的に動くことはできるのです。
